破産をする前に!経営相談・資金調達、資金繰り相談・倒産回避の相談ブログ〜事業再生の現場から 

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本日のテーマ:利益重視の経営4 『税引前当期純利益





前回の『経常利益』で営業外の収益や損失までをお話しして来ました。そして、経営戦略に、事業戦略の一つとして捉える指標とは別に、BS戦略として捉えて営業外損益の項目について考えていきましょう。との提案をさせて頂きました。





税引前当期純利益は、法人の利益に対して課税される金額の基礎となる利益で、その課税された利益に対する税金を引く前の利益ということです。



ちょっとややこしい表現ですので、単純に"会社が税金を払う前の利益"と、とらえておきましょう。専門的な会計の話ではなく、"利益重視の経営"へのコンセプトの話ですから。



税引前当期純利益は、前回の経常利益に特別損益を加算したもの。"特別利益・特別損失"って...特別?って、なりませんか?私は、経営において特別って例外?みたいな感じがして、感覚としては受け付けない感じがしました。





でも、様々な会社の経営に携わると、必要になると今では理解していますし、"再生!再建!"を行動に移す時に重要な項目になり得るのです。



特に"特別損失"



というのは、具体的には、今までこの商品を事業にしようとしていた開発途中の商品、仕掛品、滞留在庫や売掛金を精査した時、何かの事情で数字が合わない時どうしますか?償却するには大きすぎる金額や明確になっていないものだったりした時どうしますか?



勿論、明確に災害等で損害を受けているものは特別損失に上げることは説明もできますが、長く滞留していたものや、管理しきれていない在庫や資産であるはずのものが無かったら...





私は、会社を再建しようとするなら、"まずは、正確に事実を認識すべき!"と必ずお伝えします。決算書報告書の数字と実態が違っていたら、今、どんな状況なのかを正確に把握することができません。現在の状況が正確に把握出来ないのに、どこに、どのように会社の状態を持っていけばいいのか分からなくなります。ですから、決算報告の数字ではなく、実態を"事実"として捉える必要があります。





その時に、今まで管理がずさんになっていたものを正して、数字を実態にあわせる必要がありますから"特別損失"を使います。

当然、取引銀行、取引先は特別損失に『えっ!』という反応をします。



ですが、『再建や再生を目指す為に現状を正確に把握して、健全な状態を目指す為に、決算数字を実態に合わせました!前向きな取り組みとして受け取って貰いたい!』と正々堂々と説明を加えて話せば、『えっ!』という反応が、

『なるほど』と、少しすごいな...とか応援しますとかの反応に変わってきます。説明は誠実にしましょう。





特別利益は、事業の利益や、営業外収益の配当とは違い、その年に単発的に発生した資産売却益等を示すので、特別利益が上がっていても、あまり取引先等の関係各位につっこまれることはないかもしれません。





また、この項目に至っては、経常利益の時に営業外収益にふれた時のように、BS戦略として事業とは明確に意識を分けて捉えたほうが、経営戦略として効果があると思っています。



では、次回に『当期純利益』を話していきます。

Kazuya Noro

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