任意売却事業再生ブログ:従業員50人未満の社長さんのための事業再生バイブル

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経営危機への心構え 

「再生の場面を迎えなければならなくなった本質的な原因は、経営者の怠慢に発する。」「再生の妨げは、経営者の見栄である。」

これは、経験を通じて私達コンサルタントが思うところです。

相談にいらして頂いている経営者の方は、現在の状況や今に至る経緯をお話しになる時に必ずご自身の至らなさを反省されます。『もっと、私が直接関与してれば良かったのですが・・・』『経理・財務の事をまかせっきりにしていた自分も悪いのですが・・・』つまりご自身の怠慢を反省されるのです。

『そんな怠慢な経営をしてるからだろ?』とお思いになられる方なら会社の危機的状況になる予兆が見えた段階で直接対処されるでしょうから安心です。

しかし、ご相談頂いている経営者様達は、本来とても優秀な方ばかりなんです。日々忙しくスケジュールをこなし、真面目な方が多い。事業が軌道に乗りだし、直接業務のルーティンワークから離れ経営の舵取りに専念出来るようになると、足元が見えなくなりがちです。

幹部から報告をこまめに受け、業務の隅々までチェックする事が出来ていれば良いのですが、皆が問題なく仕事をしてくれるだろうという信頼から、チェックをせずに信用しつくしてしまう。

そしてある時突然に危機的状況の報告を受ける。そして『もっと、私が直接関与してれば良かったのですが・・・』『経理・財務の事をまかせっきりにしていた自分も悪いのですが・・・』となるのです。

これは、どんな会社にでも起こり得る事なのではないでしょうか?では、そんな事を起こさないための対策はないのか?あります。

上場会社にはすでに波及しているかと思うのですが、本来中小企業にこそ必要な対策だと思っているのですが。【監査法人のチェック】や【社外取締役の導入】のような社外の第三者の導入です。もちろん【コンサルタントの介入】もその選択に入ると思います。

コンサルタントを使う事の意味は、そんなところにもあるのです。経営者は隣の会社の内情を知る事は通常出来ません。しかし、監査法人や、コンサルタントは多くの会社の内情を奥深くまで知り、様々なケースに遭遇しながら対処している経験があります。その知識を活用するというのは得策なんです。

もう一つの「再生の妨げは、経営者の見栄である。」は、"そしてある時突然に危機的状況の報告を受ける"という望まざる得ない事態が訪れた時、再生に向かう場面での経営者の再生に向かう姿勢の話です。

まず一番多いケースは、再生する為に「売上頑張って伸ばすこと!」と前向きで取り組み易い方法を考えます。確かに売上を伸ばさなければ原資がないのですから、売上に注力するのは当たり前なのですが、この場面に至るまでも売上を伸ばすことには人一倍ご努力をされてきたはずです。

伸びしろは少ないと見た方がいいでしょう。とすれば、何をすべきか?

原価の見直しや、販売管理費の見直し、金融機関への返済条件、税金の支払い方法。つまり支出に対する対処を優先させるべきです。マイナスに向き合う取り組み難い方法です。

ここで、経営者が「態勢を立て直す」為に一時金融機関に返済条件の見直しをお願いしたり、社内に協力を要請したり、必要であれば取引先に頭を下げる必要が出てきます。常識的な経営者であればあるほど「そんな事したら仕事が続けられなくなる」と思いが強いです。

しかし、事態を改善するためには、その方法をとらなければ再建が遅れ、更に事態が悪化するのです。見栄という言い方は語弊があるかもしれませんが、少なくても今までの常識を破る必要がある場面です。

見栄や、今までの常識が強いと、この行動が起こせません。怪我や病気に例えれば、"止血"(支払いを止める)をして治療(再建計画の実行)を行うべきところを、"止血"なしに治療に入らず頑張りとおし、再起出来ないところまで悪化させてしまうようなものです。

もし、このような再生の入り口に立った時は、今までの常識に囚われすぎず、柔軟に対処して欲しいと思います。

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Kazuya Noro

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