任意売却事業再生ブログ:従業員50人未満の社長さんのための事業再生バイブル

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再生事例 第4話 社内の反発

交際費を常識の範囲内に抑えた。業績は前年比で倍以上の利益が見込める。順調のように思えた。しかし、この交際費の抑制は問題を内包したままだったのだ。営業マン達は、交際費が会社で出されなくても、そのスタイルを変えてはいなかったのだ。抜本的に営業スタイルを見直して、接待交際の回数と場所を見直していたかと思いきや、実は自腹を切りつづけ、その上司達が穴埋めし続けていたのだ。

営業の上層部は、これは一時的な経緯の抑制で、業績が回復すれば、元に戻るものだと勝手な解釈をしていたのだ。会社存続の危機から回復してきた今、また新たにこの接待交際費と営業手法の問題が再燃してきた。ここまでの流れの中で、会社の経営方針として、危機以後、経営陣と所属長は会社の資金の流れや、業績を確認しながら進めるように定例会を持つ事にしていた。

危機的状況に陥るまで、各部門の横の情報共有が少なく、会社の状態を幹部が把握するという機会を持ってなかった。各部門が経営者に報告は入れていたものの、経営者もその情報を幹部にディスクローズする事はして来なかった。これは、ワンマン経営者として起こりがちな事だが、この情報共有が少なければ少ないほど、重大な問題が起こりやすい事を知って欲しい。

経営者一人で全ての情報を租借しながら舵を取る事が意思伝達においても、トップダウンで出来るから良い方法だとする見方もあるが、私達の経験上、大きな問題を起こすのはこういった経営手法をとっている会社が多い。ワンマン経営者であると、皆に知られたくないような資金の流れを経営者が作ってしまうことがある。自分のための資金流用というだけでなく、会社にとって必要だという思いからも、本業とは関係ない資金を支出をしなければならない事もある。

ただ、そんな支出にいちいち経理を通したくはないという思いも理解できる。それでも、会社の従業員を信用して、使いたい資金があると伝えればいいと思う。従業員は例え社長のその資金が私用であっても、その資金が私用に使われた資金であるとわかった方が対処し易い。

ここでも、この定例会において、資金の使途について経営者に対して問責があった。しかし、中小の同族会社で、株主兼代表取締役に対して問責を問い詰めても意味をなさない。ただ、皆が不愉快になるだけである。この会社においても、使途が本業から外れている資金があった。

しかし、今更、過去の使われてしまった資金を戻す事など出来ない上に、その罰則を100%株主の代表者が自らに課す事もないのが実情である。

私達は代表者が自らに課すような経営者であって欲しいと思いながらも、そういった経営者は少ない事を経験上分かっているので、このような場面で、他の役員や、従業員と一緒になって経営者を責めるような事はしない。いい訳も求めない。未来に対してだけ、目を向けて欲しいからである。他の役員や従業員、特に営業部からは、本業以外の資金使途について責めたてた。そして、自分達に都合の良い経費の支出や、報酬を求めた。

経営者は、この時にどう対処するべきか・・・ここが、その後を決定づける場面になる。反論してねじ伏せるか、言い訳をするのか、最善の方法は・・・・ 

次回、第5話 未来はみんなの為に

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Kazuya Noro

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