任意売却事業再生ブログ:従業員50人未満の社長さんのための事業再生バイブル
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再生事例 第5話 未来はみんなの為に
資金繰り逼迫からの復活、社内ルールの見直しを経て会社の財務状況はV字回復がなされているように外部からは思え
た。しかし、内部ではシコリを残していた。
会社が困窮する状況になった原因が社長のせいだ!と経費を締め付けられていた営業部からの激しい突き上げが爆発し
た。
こんなことになるのなら、やはり会社の財務状況や業績を社内でディスクローズするべきじゃなかった・・・・
社長は苦々しく後悔した。
いえ、ここからが本当の意味での再生の場面です。
この場面を迎えなければ社長も社員も生まれ変われません。チャンスが今、まさに訪れているのです。そして、社長から幹
部達に対して取った行動は、経営者としての真に毅然とした説明と将来のビジョンだった。言い訳や、詫びなどは一切しな
かった。
社長がみんなに伝えた言葉は・・・
経営者として、会社の状況を考えれば、財務戦略として投資の運用は当時正しい選択だったと今でも考えている。しかし
、その財務戦略で損失を出し本業に危機的状況を招いた事に対しては経営者として猛省している。今、我々はこの厳しい
状況の中において、九死に一生を得て、チャンスを頂けている。一部で言うような、失敗の責任をとって私が辞めればいい
という事では何の解決にもならないと断じて言える。中には、どうせ潰れるなら経費を使いたいだけ使わせろと狂った事を
言う輩がいると耳に入っている。そんな事をいう輩がいる中で私が社長を退任してみんなにが良くなることなどない!私
は、このチャンスにみんなで希望のある未来が描ける会社に生まれ変えようと決意している。ここ数年間を思い返せば、や
るべきことをやらずに来たという気持ちは私だけではないと思う。業績の足元を見ながら、予算を立て、管理し、中長期的
な戦略をみんなで目標として取り組んで行こうじゃないか。自暴自棄や責任の追及に明け暮れて未来を失うのはあまりに
も馬鹿げている。今、業績を見ながら予算を管理して業務を遂行していく体制が出来つつある。もう、以前のように会社が
どんな資金の流れが不明確何てことはない。中長期的には業界のシェア拡大を狙える戦略も立てている。いい加減にし
て、目を覚ましてくれ!
普段温厚で今まで頼りなさげに見えていた社長が、本来の姿を皆に示すと、幹部達も我に返らざる得なかった。
自分の立場から今からやるべき事をみんなが模索し始めたような、そんな決意がみなぎっているように見えた。みんな心
の底では、そういう社長の姿を心待ちにしていたのかもしれない。
そもそも、本業以外に流れていた資金は、社長の遊行費で浪費したわけではないのだ。本業が増収増益になり売上規模
も大きくなる中で、その資金を寝かせない為に、将来に備える為に投資に資金を流用し、その運用がうまく行かなかった。
その事に社長も責任を感じていただけの事。その姿が社員には、何とも頼りなさげで、いじけて見えていたのだろう。投資
を考え始めたタイミングには、幸か不幸か、銀行からもデリバティブ商品の窓販が攻勢の状況にあり、様々な投資商品を
提案していた。デリバティブの金融商品が全盛の時期でもあった。世界的な不況がささやかれ始めてから、リーマンショック
でピークを迎えた金融崩壊は、デリバティブ金融商品の投資家に大損害を与える結果となった。この社長もそのうちの一人
に過ぎない。会社のコミュニケーション不足が一気に爆発して内部崩壊が顕在化したタイミングこそ、社長が経営者として
生まれ変わる絶好のタイミングなのかもしれない。
この会社は、外部からも賞賛に値する会社となり、内部統制も完了し一体化した為に、この不況においても業績が上向き
である。コンサルタントの我々も経営陣に名を連ね共に歩み続けている。
5話に渡って話してきた。もっともっと、細かいトラブルや書ききれない出来事もあるのだが、会社が再建するまでの一つの
事例としては分かりやすいと思っている。
また、他の事例も追って紹介していきたいと思っています。宜しくお願い致します。
全国書店にて発売中。
代表の野呂のインタビューがコンサルBankさんのサイトへ掲載されました。
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