任意売却事業再生ブログ:従業員50人未満の社長さんのための事業再生バイブル

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再生事例 2話目  銀行交渉

何とか資金ショートを回避する方法が見つかった。今月からの銀行への返済を止めれば、ギリギリ

だが、経常の支払いは可能だ。

さっそく銀行にアポイントを入れる。取引銀行は6行。

すべての銀行に同時に相談をしに行く事が重要なポイント。あの銀行の担当者には迷惑をかけら

れないからそんな相談は出来ないとか、この銀行だけは支払いたいという気持ちがあったとして

も、全取引銀行を同じように対応することが重要だ。

相談内容は、現状の窮状を説明し、資金ショートを回避した後、現実的で抜本的な再生計画を立

てるので、その再生計画を基に今後の返済方法を相談したい。となる。

この相談を特定の1銀行だけ相談に行かずに支払いをしてしまうと、他の銀行から、全取引銀行

が同じ対応をする事が条件だと言われてしまう。結局はひいきにしたい銀行へも行かざるを得なく

なる。

そうすると、全行が同時に計画をスタートするために、支払いを止める月を合わせるため、他行も1

月分は支払わなければならない場合もある。それが条件とされてしまうくらいなら、全取引銀行を

同時に止めて、同時に相談に行った方が良い。もちろん私達コンサルタントが全行同行する。

そして、社長と経理担当と一緒に銀行を廻る。

担当者が出てくる。

そして、現状と返済を止めて再生計画を立てるから待って欲しいと伝える。

ここで重要なのは書面で、現状と、今後どうしたいかを書いて持って行くということ。今回も、今月

から元金の返済を止めて来月から利息だけは支払いたいと書面にし、今後の計画の骨子を記載

して行った。銀行の担当者も書面で出されれば上司に相談しやすい。銀行は書面、稟議主義だと

いう事も忘れてはいけない。

第一声は、どの銀行担当者も同じような言葉を発する。

急にそんなこと言われても対応出来ません。今月の支払いは何とかなりませんか・・・・。

申し訳ないが、真面目な経営者ほど、直前まで頑張って支払いをしようとする事が分かっていない

銀行員が多いと思う。支払いを止めたいと伝えに行くときは、突然になる事の方が自然であるとい

える。何の相談もなく止めるよりははるかに誠実な対応だと思う。

それからは、コンサルタントである私達の説明となる。

ご相談に来られて事業デューデリジェンスをしてみると、事業は営業黒字で回りそうだが、返済額

を緩和しないと、資金ショートになります。まずは、目先の資金ショートで事業が継続出来なくなる

前に、今月から元金の支払いを止めさせてください。その後どういった返済計画になるのかは、経

営改善計画を作成して持参しますので、協力して頂きたい。

行く順番は、残高が一番大きい銀行から行く。いわゆるメイン銀行だ。

メイン銀行からの協力を取り付ければ、他行も協力してくれる可能性が大きく高まる。

他行さんは、どうするつもりですか・・・・

取引銀行すべてに同じお願いをしています。

メインである我々は支援します。

この言葉を貰えれば、一息つける。傷ついた時にまず、止血をする事に似ている。

しかし、今回は少し状況が違った。

メイン銀行が、いったいどういう事だ、そう簡単には支援出来ると言えない。

と詰め寄って来たのだ。

BSの記載に疑問がある。貸しだした資金をどこに使ったのか?運転資金として使ったにしては、

つじつまが合わないと。という。

わかりました、実態のBSを調査した資料をお持ちしましょう。それを踏まえて、もう一度ご相談に来

ます。

そして、BS報告書を持参。

実質債務超過ですね、粉飾して資金の借入をしていたのですか。これは許しがたい事です。

その言葉に一瞬ひるんだ。

ですが、今一度支援頂ければ、必ず再建して見せます。社長が堂々とそして謙虚に熱意を持って

叫びにも近い大きな声を上げた。

そして、ここまでに至る経緯を反省の言葉と共に誠実に静かに話始めた。

担当者は、それを聞いて、

わかりました。コンサルタントさんと一緒に納得できる再生計画を作成して来て下さい。前向きに支

援出来るように私も上に掛け合います。本来なら難しい話です。社長の反省と熱意に期待したいと

私は思ってます。そう言って初回の訪問を終えた。

その後、経営改善計画書を会社に戻り経営陣と私達コンサルタントで、現実に可能な計画を長い

時間をかけて検証しながら集中して作成した。売上予測を控えめにし、実行可能性を高めた。経

費削減もドラスティックに行う部分をなるだけさけ、ミニマムの利益を基に作成し、返済計画も確実

に出来る事を第一に作成した。

そして再度、メイン銀行にアポイントを取り再生計画を説明。

社長も私達も何とか自主再生を望んでいた。法的整理や銀行からの出向で銀行管理になる事は

何としても避けたかった。

反応は・・・

厳しかった、避けたいと思っていたキーワードが続々と銀行員から出てくる。

しかし、社長は強い意志で、熱心に銀行員に対峙した。

そしてようやく・・・分かりました。とりあえずやってみてください。支援を継続するかどうかはともか

く、今回はこの計画の成り行きを見ましょう。

支援を取り付けたのだ。

そして他行もメインからの支援を取り付けた事を報告しながら、支援を得る事が出来た。

第一の危機は回避された。

これからが、本当の再生計画の実行である。資金ショートは回避でき、一息はつけた。ここからが

再建への苦難の道の始まりでもあった。

経営コンサルタント・経営コンサルティングの検索・経営相談ならコンサルBank
代表の野呂のインタビューがコンサルBankさんのサイトへ掲載されました。

Kazuya Noro

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